2014年8月29日金曜日

ゴービトゥイーンズ展

終業後に駆け込んできた。
22:00まで空いている森美術館は素晴らしい


Go-Betweens
19世紀アメリカの移民二世を指して写真家Jacob Riisがもちいた表現だ。

ここでもなく、あそこでもない、そのはざま。揺らぎの中に生きるいろいろ。

子どもは一つの媒介にすぎないと思った。国、社会、人間関係、ジェンダー、様々なゆらぎの中の不安定さ、そのリアリティー、それを当たり前に描いていることに好感をもった。

混沌の中を走り回って、立ち止まる、その無秩序を一生懸命に吸い込む。子供の感性の素直さが根底を流れていることで展示全体がとても明るくポジティブな雰囲気をもっていた。

危うさを持ちつつも、健全さをつねに失わない展示。

どこでもない間にいることはいつしも、不安定な曖昧さをもつ。閉鎖的な尖った感性、普通からの逸脱、"誰にもわからない"という孤独を描くこともできる。これをポケットの裏を返すように明るい色にくるりと返したことにこの展示の良さがあると思う。

はざまを指す語にin-between-ness という言葉もある。”狭間”だ。間に挟まれて、狭く、窮屈でどこにも属さない物悲しさがこの語にはある。

この展示は"Go-betweens"!境界ではなく越境。どちらでもないそのスキマの妙で不思議な空間に、飛び込んでいく勢いと明るさを持っている。その未来に対するエネルギーにとても元気をもらいました。

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