ご承知の通り、私は自他共に認めるミューオタ(ミュージカルオタク)なわけですが、兼ねてから思っていたわけです。海の向こうではポップカルチャーとして普通に楽しまれてるミュージカルがなぜ日本においてももっと親しまれないのか。オタクとて観劇人口はできれば増えてほしいわけです。共有できる人増えるし、なんたって役者も作品も市場が拡大すればクオリティーがあがる。
あの手この手で愛を語ってきたわけですが、ふと思ったわけです。
人との共通理解のツールって感性だけやないじゃん、
私ってコンサルじゃん、シンクタンク勤めじゃん。
ってなわけで、ミュージカルをロジカルにチャートプロットしてみました。
人との共通理解のツールって感性だけやないじゃん、
私ってコンサルじゃん、シンクタンク勤めじゃん。
ってなわけで、ミュージカルをロジカルにチャートプロットしてみました。
結論からいいます(Conclusion first ですコンサルなんで)
日本におけるミュージカル人口の少なさは、
それが【エンタメ性を追求した外形的なパフォーマンスを楽しむもの】という限定された理解で認識されていることに起因します。
世間のミュージカル・イメージは同芸術のほんの一部しか代表していない、と私は主張したい。
以下のチャートからはそのイメージが広い広いミュージカルのライナップにおける非常に限られた一部であり、かつ局所に偏ったものであることがわかります。
このチャートは二軸で構成されてます
●縦軸
縦軸はストーリー軸
これは
高エンタメ性⇄内省的/厨二
の極をとります。
●横軸は表現軸
日本におけるミュージカル人口の少なさは、
それが【エンタメ性を追求した外形的なパフォーマンスを楽しむもの】という限定された理解で認識されていることに起因します。
世間のミュージカル・イメージは同芸術のほんの一部しか代表していない、と私は主張したい。
以下のチャートからはそのイメージが広い広いミュージカルのライナップにおける非常に限られた一部であり、かつ局所に偏ったものであることがわかります。
このチャートは二軸で構成されてます
●縦軸
縦軸はストーリー軸
これは
高エンタメ性⇄内省的/厨二
の極をとります。
●横軸は表現軸
これは
ものがたり重視⇄演芸/パフォーマンス重視
の極をとります。
*このときパフォーマンスとは外形的な表現方法と定義する
こうしたとき、日本におけるミュージカル理解は右上の「大衆ウケ」セグメントに限定されていることが非常に多い。これが先に【エンタメ性を追求した外形的なパフォーマンスを楽しむもの】と表現したイメージがもたれている所以です。Lion King, Cats等がその代表的な例でしょう。
また日本で「ミュージカルが好き」というと大抵「劇団四季?」と聞かれますが、同劇団の作品の大半もこの一角に属しています。
つまり,日本ではミュージカルに対するイメージがその一部に偏っていることによって,根本的な誤解があるのではないかと課題提起いたします。
さらにこうしてプロットすると、Wicked、 レミゼラブル、Hamiltonあたりのメガヒットミュージカルは先の「大衆ウケ」セグメントではなく、むしろ両軸でちょうど真ん中らへんに位置するものが多く、両軸においてバランスがとれているものこそ、訴求対象が広いことがわかります。
言いたいこととしてはミュージカルが表現ジャンルの1つであって、内容ジャンルではないということ。
「ミュージカル」とは「本」と同じです。
本の中には、絵本もあれば推理小説も自伝もあるように、ミュージカルも一つの表現形態であってその中に多様性を持っているということを伝えたい!
むしろ玄人ウケというグルーピングで囲った作品などは、
内容的には踊りの一つも入らない、ものがたり重視で(そうです、踊らないミュージカルもたくさんあります)
中2病的なこじらせ方をしたストーリー展開だったりします。
いわゆる右角に位置する皆ハッピーキラキラ☆万歳の作風とは対極に位置します。
日本におけるミュージカル人気の拡大可能性は
このミュージカルに対するイメージのマーケティング次第で大きく広がるとおもうのです。
大衆ウケのポップスは確かに導入しやすい作風なのかもしれない。
でも本だってみんなが伊坂幸太郎のベストセラーを好むわけではないし、
音楽だって誰しもがいきものがかりやジャニーズを聞きたいわけではない。
「誰に対してもお勧めできるミュージカルがある」と私はよく言うのですが、
その言葉は割りと本気で言っていて、ミュージカルという表現形態(歌う舞台)というものが本質的に嫌いではないかぎり、
そのスペクトラムの中には色々な人の趣向にマッチする作品があると思う。
さらに、玄人的な楽しみ方としては、この左上に示したカラーチャートの文化圏別ミュージカルの傾向をみていくというという楽しみ方もあったり。
ブロードウェイはもはや、全方位、すべての象限をカバーするほど作品の層が厚いので、特定のエリアを色分けはできないのですが、その他の文化圏はそれぞれの特徴がでていることがわかります。
【ロンドン・ミュージカル】
まず、ロンドンミュージカルはやはり両軸で中心に近く位置する作品が多く、ブロードウェイまではいかなくとも、Andew Llyod Weberなどの巨匠やレミゼラブルなどの大作を生み出してきたその伝統と、バランス感覚がみてとれます。あえていえば、少しものがたり重視が好まれる傾向。このあたり同じアングロサクソンでもイギリス人的な趣向が出ている気もします。
【フランス語ミュージカル】
意外と思われるかもしれませんが、フランスは実は中身が薄いエンタメ性が高い作品が多いんです。ロミオとジュリエットや、三銃士など、いわゆる名作の古典文学等を題材としており、一見お堅くみえるのですが、実は話の筋は対して関係なく、パフォーマンスに徹底していることが多いのがフランス語ミュージカルです。これはおそらくフランスがオペラやバレエなどの古典芸術につよいからで、それとの棲み分けの結果ミュージカルは徹底してポップな芸術として仕上がっているのがフランス
【ドイツ語ミュージカル】
オタク以外にはあまり知られていませんが、音楽の都ウィーンはブロードウェイとロンドンと並べられるほどにミュージカルが盛んな場所です。非英語圏ミュージカルを支えるドイツ語ミュージカルはものがたり重視×中2病なミュージカルがメイン。死に異常な憧れがあったり、自意識を完全にこじらせていたり、ジメジメした人の鬱っぽいところをあえてドラマティックに展開しちゃうところにドイツ語ミュージカルの醍醐味が。前述のいわゆる「ミュージカル!」なイメージの対極にあり、ミュージカルの作品の幅の広さを感じさせてくれるのがドイミュ
【韓国語ミュージカル】
最近勢いが強いのがミュージカル界の東端のライジング・スター、韓国です。韓国はK-POP等のイメージがつよく、それこそポップなエンタメ!が得意そうかと思いきや。韓国は中2のオンパレードです。それもドイミュのようにものがたり重視の舞台色が強い作品でなく、歌って踊る中2病までとにかく、ありとあらゆる中2病感を味わえるのが韓ミュ。「俺曲かけないー」とか「引き裂かれる俺の思いー」とか「俺」圧倒的「俺」「私」感を楽しめるのが韓ミュです。まだオリジナル作品は他ほど多くないので現状、趣向が近いドイミュからの借り物がやや多め。
もちろんこれらはあくまでこれらの文化圏"発"の作品の特徴であり、もちろん人気作品は各国語に訳されて世界中を流通します。各作品がどこ由来かを知っていたりすると、チャート上幅広いジャンルの作品をカバーする糸口になったりします。
ミュージカルはハッピーなキラキラな、歌い踊らずにはいられないピーポーのお祭り騒ぎだけではない!
ということが十分に伝達されていないことが、ミュージカルのファン層を狭めており、逆にここに積極的に介入することによってミュージカルの愛好者はまだまだその人口を大幅に拡大する可能性を秘めていると思えるのです。
この表現形態の地平の果てしない広がりの一片でも伝わればと思い、プレゼンさせていただきました。
ミュージカル界にはプロボノでもなんでもするので、
是非この点について本気でご検討いただきたい。
これを読んでいる方もこれをきっかけに自分の好きな作品ジャンル
を探し出して、一度でも旅行先、または東京でも劇場で足を運んでほしい。
なんなら、いつでも喜び勇んでコンセルジュいたしますので、いつでもお声がけを。
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